Neo Culture #Journal

Layered Little Press #Journal(旧Neo Culture)

小さすぎる出版社Layered Little Press(旧Neo Culture)

新世紀ラグマンProject. Episode-FINAL

前回までのあらすじ

現代日本にラグマンをほぼ完全に再現しようとする試み、

新世紀ラグマンProjectを成功させるべく奮闘中のTommo Sogabe。

ひとまず次の目標は2/27一日復活 大岩食堂旅のアジアご飯  シルクロード特別篇!

しかしラグマンの麺をどう再現するのか悩み続け、

一時は妥協して乾麺を使用するか、いっそ止めるか、みたいな危機的な状況であったが、Dという一人の料理人がその状況の打開策を見出した。

Dは、彼がレストランで使用しているイタリアの生麺パスタ トンナレッリ・ロマーナは、ラグマンの麺に近しいのではないかというのである。

 

そこから、話は大きな展開を迎える。

 

その麺は浅草にあり

Dによると、彼はトンナレッリ・ロマーナ(太麺)は浅草に所在する開化楼という製麺所から仕入れているという。トンナレッリ(中太麺)に関しては普段は使っていないものの、試作の為に仕入れたらしい。

浅草開化楼といえばラーメン業界でかなり有名な製麺所である。

 

最後の難関

今回の2/27の旅のアジアご飯の為に、私はこの麺を開化楼さまに売っていただく。

それが今回のProjectの最重要ミッションとなった。

それには直接製麺所へ行って、直談判するしかなかった。

しかし、なんせ相手は天下の開化楼さま。

果たしてこんな個人が相手にしてもらえるのか。不安である。

しかしありがたいことに、そのとっかかりとなるやり取りや、アポイントメントの作成はDが行ってくれた。

今回は、カラスさんという方と話をして、認めていただく必要があるとのことだった。

Dのスマートなアシストによって、日程調整もスムーズに進み、見学の日はすぐに決まった。

こんなこわっぱが工場見学と直談判のチャンスをいただけたのである。

 

武器は情熱

相手は製麺のプロ。

であれば麺に対する情熱は半端じゃないはずである。

ならばこちらもラグマンに対する情熱と、

「ラグマンの麺にはトンナレッリがいいんです!!!!」という情熱をぶつければ、

もしかしたらイケるんじゃないか、

などとどうしょうもないことを考えては不安を紛らわしていた。

しかし、情熱を武器に戦う以外に選択肢はなかった。

なんせ、麺に関して私は全くの素人である。

プロを相手に理屈をこねくり回しても、所詮素人は素人。

相手には「で?」と思わせてしまうだけであろう。 

 

I DO What I Do

ならば後はやることをやるだけである。

何はともあれ試作である。

トンナレッリを使ってラグマンをほぼ完全に再現することができ、

それがきちっと美味しければ、きっと開化楼さまとの交渉の材料となろう。

 

試作にはDが協力をしてくれた。

彼が店で使っているソースの中に、自家製皮なしソーセージを使って作る、

フラタッキオーネというパスタソースがある。

ソーセージと言っても皮なしでやるので、簡単に言うと味の入ったひき肉を加熱して作るような感じ。

このフラタッキオーネソースに、ウイグル自治区のラグマンにはほぼ必須な食材、生トマトを加え、ラグマンの具に仕立てる。

そして、茹でたトンナレッリ(中太麺)にそのソースをのせる。

これがそのラグマン風のトンナレッリである↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180214j:image

そしてこれが今回モデルとしたラグマン↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180234j:image

なんならモデルより再現の方が美味しそうやし。

 

しかし麺の伝播に関しては色んな説がありまして、

ラグマンが西に伝わりパスタになったとか、

その逆でパスタがラグマンのルーツだとか、

漢民族ウイグル人にラグマンのもととなる料理を伝えたとか、

まあ、しかし実際そんなことは素人にはよく分からないというのが正直なところだし(何を信じるかは別として)、

ただ今回、新疆ウイグル自治区に行き、イタリアやそっちの方との古の時代の文化の交流というのも感じてきた。

例えばこれ↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180314j:image

ラムひき肉の包み焼でタンドール様の窯で炭火で焼くのだが、完全に見た目はイタリアのカルツォーネである。

まあ同時多発的に同様の形状の料理ができたのかもしれませんけど、

そんなことより、古の時代の中国とイタリアの文化の交流、それを想像する方がはるかにロマンチックで夢があって楽しい。

少なくとも自分はそうである。

 

そして今回、実はラグマンは生のうどんを使えば別にそれでよかったのかもしれない(実際、稲庭うどんとかかなり近いと思う。

が、しかし!!!!!

トンナレッリが遥か遠くイタリアから日本にやって来て浅草で作られていて、

そしてそれはもしかしたらラグマンのご先祖様なのか、ラグマンのご子息なのか知らないが、

そんなトンナレッリでラグマンを現代日本で再現する、

この時空を超えた巡り合いによってもたらされる一種のドラマのような再現ができれば、

私はそちらの方がはるかに萌えるのである。

 

そして、私にとってであるが、

少々のトライアルの結果、うどんよりもトンナレッリの方が、

より近しいラグマンを再現できるという結論に至った。(感覚的ですけど)

そしてそうやって作られたラグマンは、食べ手をもわくわくさせてくれるだろう。(と思っている。)

蛇足ではあるが、他にも新疆ウイグル自治区で食べた平細麺の麺料理を再現したが、日本のラーメンの麺よりも生のリングイネを使用した方が、

より現地っぽく仕上がるという、これもまた感覚的ではあるが、一つの結論を得ている。

 

決戦前夜

やれることはやった。

こんな日は早く寝るに限る。

 

決戦

早朝に浅草開化楼へ。

決戦にはDも同行してくれた。

 

製麺所の朝は早い。

それはまあそうだろう。毎日のランチタイムに間に合わせるべく、

麺を作っているのであろうし。

それで私たちの胃袋が支えられていると思うと、頭が上がらない。

f:id:Neo-Culture-journal:20170223182420j:image

朝、7時半、

作業はどピークでこの時間が一番大変とのことだった。

しかしそんな中、スタッフの皆さんは、全くそんなことを感じさせず、

突然の来訪にも関わらず、ものすごく丁寧に対応してくださった。

 

 

そして、ついに、カラスさんとの面会である。

忙しい中、どうもありがとうございます。

 

名刺交換をする。

 

不死鳥、、、カラス、、、

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180704j:image

「カラスさん、プロレスラー、やってらしたんですね。。。!」

 

交渉

特に込み入った話にはならなかった。

と、思う。。。

正直、緊張していたのか

何をどれだけ話したのかあまり覚えていない。

ただ、断片的な記憶を辿ると前々項のI DO What I DOに書き記したようなことを

話した、気がする。

 

しかしとにかく結果として、2/27 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別編でのトンナレッリの使用許可はいただけた。

 

これできっとほぼ現地完全再現、最高のラグマンがお出しできます!!

 

2/27のラグマン

当日は3種類のラグマンをご用意する予定です。

1つはトンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用のラム肉のラグマン-过油肉拌麺

f:id:Neo-Culture-journal:20170223181159j:image

过油は油通しや素揚げという意味で、肉や野菜を油通しして、ラム出汁、トマト、醤油のスープに合わせ、具とする。

新疆ウイグル自治区ではかなりメジャーなラグマン。

 

2つ目はトンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用のラム肉とニラのラグマン

f:id:Neo-Culture-journal:20170223181959j:image

店によって具材の取り揃えは違うけど、イメージ的には1つ目のラグマンに大量のニラを加える感じです。ニラとトマト、日本ではあまり馴染みのない組み合わせですが、愛称は◎。ニラ好きにはたまらない中毒性抜群の一皿です。

 

3つ目はトンナレッリ(中太麺)使用の・牛肉のラグマン-牛肉拌麺。

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180234j:image

さっきの試作のモデルになったラグマン。

ボロネーゼのソースを連想させる力強い牛挽き肉とトマトのソースで食べるラグマン。こちらはちょっとマニアックなラグマンですね。

 

 一日復活 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別編

2/27(月)

ランチ 11:30-14:00

ディナー18:00-23:00

 

<お品書き>
・黄燜鶏米飯(イスラム風鶏の中国醤油煮)
・ラム肉のラグマン-过油肉拌麺
*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用

*ラム肉とニラのラグマン

*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用

・牛肉のラグマン-牛肉拌麺
*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ(中太麺)使用

 

・ラム肉のクミン焼き
・大根ともやしの醤油焼き

トルファン特産干し葡萄&ナッツ


トルファン産ワイン赤・白
・ハーミー特産メロン、ハーミー瓜牛乳

 

お待ちしております!!

よろしくお願いいたします!

f:id:Neo-Culture-journal:20170223180817j:image

ご協力くださいました皆様!!

本当にありがとうございます!

新世紀ラグマンProject. Episode-1

2016.12.31-2017.1/19 

中国・新疆ウイグル自治区

そこで私は

ラグマンを

食べた。

 

新世紀ラグマンProjectとは、

その新疆ウイグル自治区で食べたラグマンを

現代日本でできるだけ完全に再現しようとする試みである。

 

 

 

そもそもラグマンとは? 

うどん

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232153j:image

のような麺類で、麺自体は小麦粉と塩、水だけで練る。

 

太さ的には色々あるが細いもので稲庭うどんくらい(もっと細いのもあるかも)

写真のものを見ても本当にうどんっぽいが、

現地で食べた限りでは平均的に一般的なうどんよりもずいぶんもちもちしていた。

 

 

 

拉麺vs切麺

ラグマンは中国語では拌麺という。

拌、つまり和える。拌麺、そう、つまり和える麺、それは和え麺。

 

もう一つ、中国の小麦麺料理は非常にざっくり分けて2種類に大別できるそうである。

拉麺と切麺である。

 

拉麺とは拉する麺、つまり手で引っ張って伸ばす麺。

そして切麺とは、現代の日本のそばやうどんのように綿棒で延ばし、刃物で切り出す麺。

 

なので拌麺は拉麺であり、

しかし日本のラーメンは拉麺ではなく切麺である。昔はどうだか知りませんがとりあえず今は手で伸ばしてないので。

 

 

22017/2/27 1日復活!!大岩食堂 月曜日旅のアジアご飯 シルクロード特別篇!!

帰国してからというもの、Tour  Neo Culture シルクロード大巡礼祭りと称して、

東京のあちこちでシルクロード関連のイベントを連発しております。

関係者様、ご協力いただいている皆様、本当にありがとうございます!

 

そして去年の10月に最終回となりましたが、大岩食堂旅のアジアご飯という、

自分が旅をしてきた各地で食べた料理をお出しするという、週一のイベントをやらせていただいておりました。

 

それが何と2017/2/27に1日復活でシルクロードの料理をお出しできることに!!

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232235j:image

こ、これはもう、

ラグマンをやるしかない!!!!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/

 

 

問題その1

しかしながらラグマンを現代日本で再現するにあたって問題が。。。

 

ラグマンの麺の作り方も分からなければ、伸ばし方も分かりませんもので...orz...

 

ラグマンは中国で言うところの拉麺なので、麺を手で伸ばしていくのだが、その麺の延ばし方は拉麺の種類によって様々に違う。

中には小判状に薄く伸ばした生地をただ手で引き延ばすだけで、一本の麺にも太い部分と細い部分とのムラがあっていいような麺も存在し、それならなんとなくできそうな気もしないではないが、、、

 

しかしラグマンの場合は両手で延ばした麺を板に叩きつけて伸ばす、それも均一に。

なんとまあ難しそうな、、、

よほど練習すればできたりするのかもしれないが、

2/27には間に合わないでしょう。

 

実際に見てきたけどこれ↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232324j:image

いや、この指と麺の絡まり方なんなんですか!!

俺には無理っぽい!!

 

問題その2

2017/1/29に私は西荻窪にあるそばとワイン 吉さんのご協力のもと、そばとシルクロードというイベントを開催させていただいていました。

そこでもラグマンと馬虎麺をそばで再現するという挑戦を。

 

その時の馬虎麺風そば↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232528j:image

粗びき二八の平打ち


実際の馬虎麺↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232603j:image

 

ラグマン風そばの具↓

f:id:Neo-Culture-journal:20170216232701j:image

モデルにしたラグマン(いろんな種類あるけどこれが一番好きだった)↓
f:id:Neo-Culture-journal:20170216233518j:image

麺は、、、

写真撮り忘れてましたが細麺です!!

つるつる微粉七三

 

そばはこの日のために店主があれこれ考えてカスタムそばを打ってくれたんです。

ラグマンの具や、馬虎麺のつゆの再現は比較的簡単にできるし、できた。

 

麺に関しては全くの素人の私は今回のそばも、「現地ではこう言う麺だった」という情報を伝え、写真を見せただけで完全にアウトソーシングしていた。

 

このイベントでは結果、

馬虎麺風もラグマン風も

そばはおかげさまで大好評。

本当に吉の店主様さまさまでございました。

 

が、2/27 大岩食堂旅のアジアご飯。

私は一人なのである。

これは大問題である\(゜ロ\)(/ロ゜)/

 

アウトソーシングできる小麦麺のプロフェッショナルも周りにはいないのです。

さて、困った(;´д`)。

 

乾麺は手に入る。

しかし、乾麺はああああーーーーー。。。!!!!!

気が乗らん...orz...

 

1/29 そばとシルクロードでは店主のスペシャルそば(しかも打ち立て)でラグマンを再現したのに対し、

 

来る2/27!!!! ラグマンやります!!!今回は、、、乾麺!!!!!!

 

(;´д`)。。。

 

これではお客さんに感動はおろか満足もしてもらえないだろうと思うのです。

 

1/29の盛況を受けて、いい意味でハードルが上がっていました。。。

 

ラグマン、やっぱ出すのやめるか。。。

うっすらと脳裏にそんな妥協案が浮かびました。

 

そうそう、

だってそもそもラグマン以外にもシルクロードの料理はたくさんあるし、

自分が勝手に現地で食べたラグマンに大はまりして盛り上がっていただけで、

別にそれを2/27にやる必要なんかないじゃないですかー!!!???

 

1/29にもう一回やったんやし。

お客さんにもラグマンなんか実際そんなに求められとらんかもやし。

 

悩みながらも妥協案への道を突き進む俺。

そんな時に、遥か西方の国より

まるで一縷の望みのごとく

一本の救世主が現れたのであった。(実話)

 

続く

新世紀ラグマンProject. Episode-2

前回までのあらすじ

新疆ウイグル自治区でラグマンを食べて以来、

完全にその虜となってしまったTommo Sogabe。

日本に帰国後、現代日本でそのラグマンをほぼ完全に再現しようとするプロジェクト、新世紀ラグマンProect.を立ち上げ(一人でw)、

2/27の一日復活 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別篇にて、ラグマンのほぼ完全再現を目指すものの、

目の前には様々な問題が立ちはだかっていた。(麺どうしようとかw)

 

しかしそんな中、遥か西方の国より

まるで一縷の希望のごとく、

一本の救世主が姿を現したのであった。(実話)

 

 

 

出会い

時は2017年2月より半年ほど遡り、

2016年夏(確か)。

秋葉原の路地裏でとあるシェフと出会ったのだ。

私は彼のことをDと呼んでいる。

Dの作る料理は繊細で複雑であった。

またDは自分の料理を解説するとき、独特で難解な言葉を使った。

Franceという国の言葉らしい。

ブレゼ、エマンセ、、、等々、覚えきれないし思い出せない。

かろうじて思い出した二つの言葉でさえも、なんとかカタカナで表してみたものの、

これで果たしてあっているのであろうか。

 

 

Italia

Dは現在、Italiaという国の料理を出すレストランにシェフとして在籍している。

私は気が付いたらDの牙城へと飛び込んでいた。

無論、それは私がDの料理について少しでも知識を得たいと思ったからだ。

後々の為になるとか、そんなことはどうでもよく、

ただただ、私の知識欲がそうさせた。 

 

異国の地 

潜り込んだDのその牙城はまるで異国の地だった。

まずFranceと、そのItaliaという国は言葉まで違うのである。

一生懸命覚えたブレゼもエマンセもItaliaでは使わない言葉らしい。

じーざす。

Spainという国の言葉なら自分は少々分かるのだが、

これとも違うのだ。

似ている単語もあるのだが、全部似ているわけでもないし、

違うところも多い。

発音の仕方も違うので、実際の使用の中では似ているのか違うのかすら、

もはやさっぱり分からない。

 

異国の地②

そこには自分がまだ知らない食材が沢山あった。

面白いのはパスタという乾燥させた細長い麺である。

日本のうどんやラーメンとは違い、深いスープに入れて好きな具材を載せ、

丼ですすりながら食べるものではないらしい。

さらにパスタと一口に言っても、日本のうどんの様に様々な形状のものがあり、

それぞれ用途も違うようだった。

 

しかし、そのパスタというもの、例えば太さがほんの0.3mm変わったら呼び方が変わるうえに、

同じ呼び名でもブランドによって多少太さが違うときた。

私にはいちいち使う前に確認するしかなかった。

 

乾麺vs生麺

ある日、Dが一つの麺を紹介してくれた。

トンナレッリ ロマーナ

というらしい。

ロマーナとはItaliaという国のRoma風という意味と教わった。

明らかに他のパスタより太い。

 

しかも、生なのだ。乾麺ではないのだ。

聞けばいわゆる生パスタなるものも普通に存在していると聞くが。

 

Dは私にそのトンナレッリ ロマーナを使って作ったカルボナーラを食べさせてくれた。

カルボナーラのことは知っている、粉チーズと卵黄で作るあの濃厚なやつだ。

 

トンナレッリ ロマーナは他のパスタとは明らかに違い、

歯切れ良くももちっとしていた。

このカルボナーラ自体もうまいが、何よりも麺が美味い。

確かにそう思ったが、

この話はここでいったん終わりである。 

 

新疆ウイグル自治区

そうして私は新疆ウイグル自治区へ渡り、ラグマン三昧の日々。

他にも拉麺などなどいろんな種類の麺料理も存在するのだが、

ウイグル自治区に住まうウイグル人の麺料理と言えば、

ラグマンを置いて他にはないであろう。

ラグマンとはEpisode-1でも触れた、拌麺、和え麺である。

その麺は見た目は稲庭うどんのようであり、しかし食感はそれよりももちもちとしているのである。

冒頭にも触れたとおり、私はすっかりとラグマンの虜であった。

 

帰国後のDとの会話、救世主あらわる

2/27大岩食堂 旅のアジアご飯シルクロード特別編で、私はラグマンを再現したい。

しかし、その解決の糸口は見つからぬまま、少しだけ時間が経ったある日の話。

私はDにラグマンの話をした。

それもかなり詳細に。

現地で撮ってきた写真も見せた。

 

Dは言った。

「ラグマンってそれ、トンナレッリじゃん。」

私は( ゚д゚)ハッ!とした。

「そういえば似ているかも!!!!」

「これはロマーナだから太いけど、これより少し細いのもあるよ。

それなら、ラグマンじゃない?完全に。

かん水とかもむこうじゃあ使わないらしいし、その辺も似てるよね。」

 

改めて、トンナレッリ ロマーナ(太麺)とトンナレッリ(中太麺)を手に取って見てみた。

「いや、どっちの太さくらいのも、現地で食べてきましたね。

確かにこのトンナレッリならトンナレッリ(中太麺)でもロマーナ(太麺)でもどっちにしろいい感じにラグマンを再現できそうです。」

太さだけの話ではない。

 

ラグマンの麺は日本のうどんの様ではあるが、その食感がやはりずいぶん違う。

食感について簡単に例えると、ラグマンの麺はより、白玉団子のようなもちっと感を持つのだ。

そしてトンナレッリにはウイグル自治区で食べてきたラグマンの麺に近い食感がある。歯切れ良くも、もちっとしているのだ。

 

乾麺ではない、

妥協案ではない、

確かな解決策が見つかった気がした。

 

ラグマンの麺として、

うどんではなく乾麺でもなく、Italiaの生麺パスタ トンナレッリを使用するのである。

 

続く

新疆style その2.再現不可能!!! ガイドブックに絶対載らない激ウマローカル食堂5選!!!

Tour Neo Culture シルクロード大巡礼祭り

第四段!

 

シルクロードの中でも新疆ウイグル自治区にテーマを絞り

"全く役に立たない記事"をはてなブログにて配信する企画

新疆style!!

 

全4編を毎週1編ずつ配信します~!

 

そして今回がその二発目です~!

 

題して!!

再現不可能!!!

ガイドブックに絶対載らない激ウマローカル食堂5選!!!

 

では早速行ってみましょう!!!

 

無駄にランキング形式で発表していきます。

 

全部美味しくて味では甲乙付けがたいので

印象深かった順でいきます。

 

第5位

f:id:Neo-Culture-journal:20170207210524j:image

ラム肉のピラフとラグマンとラム串のお店ですよって感じで看板には書いてあります。

このタタズマイ、

この雰囲気、

絶対ウマイやろ、

と思って入ったら大当たりでした。

 

というわけでラム肉とニンジンのピラフ。

f:id:Neo-Culture-journal:20170207210713j:image

これはもうウイグル自治区では絶対食べねばならん料理ですね。

ピラフはビリヤニ含めそれはもう至るところで食べて周りましたが、

ここのは歴代TOP3にランクインするほどの美味しさでした。 

 

ここの店員のウイグル人の青年に話しかけて、

ウイグル語を少し教えてもらったり、料理の名前を聞いていたら、

その青年がミニラグマンを作ってくれました。

f:id:Neo-Culture-journal:20170207211244j:image

これがまたね、

今回の旅の中で一番美味しかったラグマンかもしれん。

 

ちなみにこの食堂の場所ですが、

ウルムチ駅から北西に1時間くらい歩いたところにあって、

路地を縫うように歩いていましたらたまたま見つけました。

なので詳しい場所はもう分かりません。

 

第4位

f:id:Neo-Culture-journal:20170207211730j:image

看板にでかでかと書いてある字はロウシャンモウと読みます。角煮をほぐして、パンに挟んで食べるファーストフードです。ハーミーにあります。

 

第4位はこのロウシャンモウ屋で食べた

f:id:Neo-Culture-journal:20170207211946j:image

涼皮。

きしめんで食べる辛酸っぱい冷やし中華です。

 

夜8時

外気温-20℃

冷やし中華

 

多分、

冬にアイス食べるって言いよる日本人がおるんと同じ理由でしょうね。

 

涼皮もかなり美味しかったですが(でも寒すぎて気分的にはやっぱりワンタンにすればよかったってずっと思いながら食べた)

 

特筆すべきは店主の根気。

いつから始まっていつ終わるのかもわからない量のワンタンを

一人で延々と包みながら営業をしていたのです。

 

しかもこの店はけっこう人気。

もう8時ですが何時までかかるんすか???

同じ飲食店で働くものとして同情を禁じ得ません。

 

このお店はハーミー駅出て正面のメインストリートを下って7ー8分歩いたところ、

左手にあります。

 

場所は分かりやすいですが、何て言っても普通なかなかハーミーなんて行かないですよね!

 

 

第3位

f:id:Neo-Culture-journal:20170207212704j:image

トルファンからシャンシャンに向かう途中に

昼休憩で立ち寄ったローカル食堂。

食べたのはニララグマン。

 

ニラとラム肉とトマト、

よく混ぜながら食べて、

替え玉をする。

 

もうたまらんよね。

 

場所はもう全く分かりません。

 

第2位

f:id:Neo-Culture-journal:20170207213016j:image

またもやハーミーからランクイン!!

 

場所も分かりづらく見つけづらい、

なんでそんなとこでやってんすか?

と思わず突っ込みたくなるお粥屋。

 

朝御飯の質素なお粥は1元とか2元で食べれんですが、ここのお粥は豪華なので高め。

 

麺な気分じゃないときに、

麺以外の料理を求めてさ迷い続けた先に見つけたお粥屋でした。

お陰で癒されました。

 

ちなみにけっこうお客さんが絶えない人気店です。

立地を考えればノーゲス必至なのに。

 

ここへは一緒にハーミーに行けたら

僕がご案内して差し上げます。

 

そして注目の第1位!!!

f:id:Neo-Culture-journal:20170207213656j:image

トルファンバスターミナルの向かい側のバザールの入り口にある焼きパオズ屋さん。

その場でラム肉をミンチにし、

生地に包んで焼いてくれる屋台です。

ちなみにクミン味。

 

あっちこっちで同じものは食べれるけど、

ここのが一番うまかったです。

 

寒い中、

焼きたてをフーフーしながら食べるのですよ。

しかもそれがクミン味で、もう至福です。

 

 

あ、

5選だったのに6つネタを用意してしまっておりました。

ではせっかくなので最後にもう1つ、

f:id:Neo-Culture-journal:20170207213934j:image

パンダ豆の味噌ラーメン。(何味噌かは不明。料理の名前も不明。)

 

シャンシャンの屋台的な食堂で食べたラーメン。

ちなみにこれが今回の旅で食べたものの中で、

実は一番美味しいと感じたものでしたね。

ちなみに辛くもなく臭くもありません。

見た目に反して味はすごく優しいのです。

 

道に迷っている最中に見つけて食べたので、

本当にどこにあったのかわかりません。

 

 

 

以上!!!

再現不可能!!!

絶対にガイドブックに載らない激ウマローカル食堂5選、改め6選!!!でした!!

新疆style その1.モテたい人必見!! 新疆料理店でのデキる男女の振る舞い方

Tour Neo Culture シルクロード大巡礼祭り

第四段!

 

シルクロードの中でも新疆ウイグル自治区にテーマを絞り

"全く役に立たない記事"をはてなブログにて配信する企画

新疆style!!

 

全4編を毎週1編ずつ配信します~!

 

そして今回がその一発目です~!

 

モテたい人必見!!
新疆料理店でのデキる男女の振る舞い方

 

と言うことで、

彼氏彼女と二人で新疆ウイグル自治区へ旅行へ行かれるあなた!!

気になるアイツと二人で新疆ウイグル自治区へ旅行へ行かれるあなた!!

 

この記事を読んで練習を積み

ぜひスマートな所作を身に付けてから

実戦に臨んでいただきたいと思います。

 

では!!

 入店。

 

あ、今回の記事は「食堂よりは上ですが星が付くようなレストランよりは下」

くらいのレベルのお店に行ったことを想定して書いております。

 

大体どこのお店も

勝手に好きなとこに座れ

といった感じです。

 

席の案内は普通されないので、勝手に空いている席に座りましょう。

 

人が座っていなければ、まだ片付けられていない席に座っても大丈夫です。

 

その場合は相手に一言、

 

「あそこまだ片付いてないけど景色がいいからあそこに座ろう。」

とか、ストーブのあるお店だったら

「あそこが暖かいよ。」

 

と言って気遣いできるアピールをしてポイント稼ぎをしましょう。

 その際はすぐ片付けに来てくれるから大丈夫という旨も忘れず伝えます。

 

さて、席に着いたらメニューを見ましょう。

大体漢字とアラビア文字ウイグル語で併記してあります。

 

と、ここで、

大体やかんに入ったお茶が運ばれてきます。

コップも2つ。

 

ここは新疆料理店でもっともスマートな所作が求められるところです。

他の何を忘れてもこのお茶に関するマナーだけは忘れてはなりません。

 

まず、前提として、

このコップは汚れているかもしれない(フツーにきれいなんですけど)

ということがあります。

 

そこで、そう

あっと気づいたそこのあなた

正解です。

 

なのでまずコップを洗うのです。

そしてこの洗い方がポイント。

 

まず相手側に置かれたコップに少量のお茶を注ぎます。

 

そして軽くコップを回して縁までゆすぎ、

そのお茶を自分のコップに移します。

 

そして今度はそのコップを相手の見えない位置に持っていき、

軽くコップを回して自分のコップをゆすぎ、

 

足元に置かれているゴミ箱の中に捨てます。

ゴミ箱は店員さんがそっと置いていってくれるのですが、

そのゴミ箱の位置を確認するためにテーブルから下を覗き込むのも野暮というもの。

この一連の動作を息をするように自然に行うことがポイントです。

 

そしてその間に相手にメニューを読んでもらいます。

 

 

さて相手方にはメニューを読んでもらっているのはいいですが、

 

まずわからないと思います。

 中国語とアラビア文字ウイグル語なので。

 

なのでここで絶対抑えておきたい料理と

避けた方がいい料理を解説します。

 

まず避けた方がいいのはやけに値段の高い料理で

大盆○○

という名前の料理です。

大盆鶏、大盆羊肉などお店によっていくつか種類があります。

これは読んで字のごとく大盆に盛りつけられる料理で、

ボリュームが多すぎて2人ではなかなかしんどいです。

大盆鶏は鶏を一羽まるまる料理します。

なので避けます。

でもこれだけ避ければ後は大体大丈夫です。

 

そしてここから押さえておきたい料理たち。 

まず伴麺

これは彼らの言葉でラグマンと言われる中央アジアのうどんです。

これが一番有名なので、1品は頼むことになると思います。

新疆地区のラグマンは和えうどんスタイル。

具とうどんが別々に盛られて出てきます。

なのでぶっかけて食べましょう。

 

ただし注文の際は要注意です。

ラグマンというのは日本のうどんという言葉と同じで、料理の系統の総称であるため、

お店でラグマンと言って注文はできません。

 

何ラグマンなのかを言う必要があります。

が、中国語の発音は難しいしカッコつけて中国語で言っても通じなかったりするものなので、

ここは指差し注文でスマートに。

 

現地人とのやり取りを楽しみたければ中国語で言ってもいいのですが、

相手もウイグル人で中国人じゃないし

中国語ネイティブでもないのでノリノリで相手してくれる人ばかりではありません。

 

他に抑えておきたいのは

ぶつ切りのほうとうの様なうどんを羊出汁とトマトのスープで野菜と一緒に煮た湯飯

 

羊シュウマイの薄皮包子

 

羊挽き肉の包み焼きの烤包子

 

羊炊き込みご飯の抓飯

ただし抓飯は結構オイリーなのでそこだけ注意です。

 

ボリュームは場所にもよりますが日本の一人前より多い場合が多いので、

それも最初に相手方に伝えましょう。

 

 

注文をするとラグマンにしろ湯飯にしろ

麺を伸ばすところから始めるので少し時間がかかります。(混んでなければ5ー10分)

 

薄皮包子と烤包子はすぐ出てくるので、

これならすぐ出てくるけどひとつ頼む?

と聞いてここでもポイントゲットです。

 

ちなみにこの二つは時間帯によっては売り切れてしまっているので

頼む際は指差しと、

有没有?(ありますか?)

と聞きましょう。

ヨウメイヨウ

と読みます。

 

ゆっくり言うと逆に通じにくいので、

さっと早口で

ヨウメイヨウ

と言えるように練習していきましょう。

 

ありますか?と注文の際に聞くことで、

これは時間帯によってはなくなっちゃうんだよね~(・∀・)

と言ってツウっぽさを演出できます。

 

さて、食べましょう。

 

薄皮包子は分かりますが

烤包子も注文すると箸と一緒に出てきます。

手でもいいですが箸で食べても大丈夫です。

 

テーブルにはだいたい

 

お酢と辛味が

 

置いてあります。

 

お酢は日本のものより酸味はかなり弱いですが

独特の香りがあるので最初はかけすぎ注意です。

 

辛味は辛味バクダンです。

少しずつ足しましょう。

  

ちなみに生のにんにくもけっこうな確率で置いてありますが、

どのタイミングでどれくらいどのように使うのか

全然わかりませんでした。

 

 

食べ終わったらお会計です。

席を立つ前にテーブルに置いてあるティッシュで口を拭きましょう。

 

そしてだいたい入り口の辺りにレジっぽい場所があるのでそこまで行ってお会計を済ませます。

無ければその辺の店員さんに直接手渡しします。

 

お会計の際にはウイグル語で

ヴェキヤクシェ(美味しかったです)

ラフマッ(ありがとう)

とさらっと言いましょう。

 

ウイグル語で挨拶しても塩対応のウイグル人もいらっしゃいますが、

終始無愛想だったおばちゃんが最後の最後に満面の笑みをくれたり

「おーウイグル語わかるんや!」

みたいな感じで言葉一つで仲良くなれることも多いので、最後はぜひウイグル語で。

 

以上!

それでは良い旅を!!

 

 

料理教室40点、その意味。

11/27 「2種類のスパイスで作る本格インド料理」というテーマで

料理教室を開催しました。

 

そして料理教室終了後に、参加者さん全員にアンケートにお答えいただきました。

 

アンケートは無記名でお願いして、

だれが書いたか分からないようにして回収しました。

 

アンケートの項目の一つに、

「今回の料理教室の内容は4000円に見合ったものでしたか?」

という項目がありました。

 

すごく良い評価をくださった方もいらっしゃいました。

少し厳しめの評価をくださった方もいらっしゃいました。

 

そして今回、

一番厳しい評価を付けてくださった参加者さんがなんと記名して下さっていたので、

なぜその点数をつけるに至ったのか

直接会いに行ってお話を伺ってまいりました!!!

私はこれでも教育大出身で、

人様にお教えするということに関してはそれなりにこだわりもありますので。

 

以下その一部始終を対談形式でつらつらと書き綴ってゆきます。

 

 

私(以下T)「今日はわざわざお時間作っていもらってしまいどうもすみません~!!ありがとうございます!」

Aさん「いえいえ、むしろごめんなさい!!全然そんなつもりじゃなかったんですけど!!!」

T「いや、むしろせっかくなのでどんどんゆうてやってください!w」

Aさん「こ、こわいw」

 

T「じゃあさっそく、具体的にどこがどんな感じでその評価になったとかありますか???」

Aさん「ん~、私はたまーに気まぐれで他の料理教室とかにも行ったりするんだけど、、、なんていうかー。。。」

 

Aさん「今回の料理教室はシンプルが売りだったじゃない???でもー、

それにしてもシンプルすぎ!??w

T「なるほど。」

Aさん「じゃがいもだけ~、とか大根だけ~、とか。。。

うーん、家庭的なインド料理って豪華になりづらいんだけどね。」

 

Aさん「後は、他のスパイスのこともプリントなんかで知りたかったかなー???

そうすれば他のスパイスも自分で料理するときに使えるし。」

T「確かに、今回はOPTIONでクミンシードを使えば~とか、仕上げにブラックペッパーで~みたいなことは書かなかったんですよね。」

 

T「前にどこかでやった料理教室ではOPTIONでこういうスパイス使うとさらに美味しい、とか書いたんですけど。」

T「今回は食材で、たまねぎやにんにく、グリーンチリを好みで追加できるような情報は書いたんですけど、確かにスパイスのことは完全に2種類しか書かなかったですね。」

Aさん「辛くしたいときはこのスパイス~とか、もっとパンチが欲しいときはこのスパイス~みたいな。」

Aさん「一回配布資料として作っとけばいつでも使えるし楽じゃない???」

T「でもAさんは参加者さんの中でもダントツでレベル高いですから、そういった意味でも、今考えれば確かに物足りなかったと思います。いうなれば専門家みたいなもんですしw」

T「今回はかなりビギナー向けの教室だったんですけど、包丁握れなくてもOK!みたいなこともイベントページ書きましたし、でもそれでも上級者の参加者さんがいらしてくださったときには、対応できた方がいいですよね。」

T「そこは全然抜けてました~。」

Aさん「でもすごくシンプルだったから○○君も、家に帰って自分ですぐ作ってフェイスブックに写真あげたりできたんだよね~!!あれがスパイス2種類じゃなくて、3種類だったらもうできなかったと思うもんね。スパイス自分で買えないだろうし。」

 

T「上級者向けの”発展的な内容”みたいなものがあればよかったんですよね。さっきの配布資料みたいなもの作っておいて、欲しいって人には渡せるような!」

Aさん「そう!!!それ!!!多分私の欲しかったものそれ!!!!!」

T「おお、なるほど。後は昼間だと参加者さんが多くて、自然と質問の数も多くなって、発展的な内容みたいになってたのかもしれないです。」

Aさん「ああー、それはあるかも。」

T「でも他の参加者さんからもアンケートで、スパイスの組み合わせや配合のことももっと知りたいとか、知りたくなったとか書いてくださっていた方がいらしたので、次回はそれ作ってみますね!」

 

 

T「後はこっちでちょっと考えていたのは、Aさんのグループ、あれがちょっとしょっぱくなっちゃったじゃないですか???あれも原因だったかなって思ったんですけど。」

Aさん「え!???いや!!!!そこはむしろ全然!!!!!」

T「え!?????そこそうなんですか!???」

Aさん「そこ全く気にしてなかったよ!!!」

T「そうなんですね!!!いや、他のチームはみんな普通にできたんですよ。

でも一つだけしょっぱくなってしまったってことは、何て言うんでしょうね、

レシピの完成度というか安定性の問題というか。」

Aさん「でもあれはレシピのせいじゃないと思うけどな~。」

 

T「でもやっぱり同じレシピでも作り手によって味も変わってきますから、そこを安定させるのって難しくて。でも分量をきちっと書くとそれでもうすごく難しく見えたりするじゃないですか~。今回はとにかくラフにカジュアルに行きたかったので。」

T「それに帰ってやるときに、トマトも玉ねぎも大きさも何もかも違うじゃないですか。」

Aさん「でも私も一回言われたことあるよ~!私も”少々”とかよくレシピに書くからさ。」

Aさん「”少々”ってどれくらいか分からん!!!!って言われたことがあるwww」

T「あー、やっぱりわかりづらいですよね。”大さじ1/2以上”とかそんな感じですかね~、分かりやすく書くとしたら。」

Aさん「人によっても違うし、そういうのって分かりやすく伝えるのって本当に難しいよね。」

T「どうすれば分かりやすく、そして正確に伝えられるのかって、

多分我々の永遠のテーマですよね。」

 

T「今日はこんなもんですかね、ありがとうございました!!」

Aさん「いやー、私も料理教室とかそのうちやる予定だったから話ができてすごい勉強になった!!」

 

という感じで、

とても実りのある時間を過ごすことができました。

 

直接話を聞きに行くなんて、

勇気が要りましたが行ってみてよかったですw

 

必ずや、次回に活かします!

<コンサルティング・ケーススタディ> Case.1-ビジネス街におけるランチタイムのお弁当の販売戦略

「ビジネス街におけるランチタイムのお弁当の販売戦略」

2016年4月より、都内のビジネス街にある飲食店で、ランチタイムのお弁当販売を強化するための取り組みを行ってきた。結果、2016年8月では同年4月の約5倍の個数が売れるようになった。その取り組みの過程をケーススタディとして以下にまとめる。なお、お弁当の販売価格など使用されている数字は実際のものではなく、取り扱いやすい数字に置き換えてある。

 

 

1.店舗のプロフィール

まず、飲食店のプロフィールを作成する。プロフィールには家賃などいくつかの固定費も含まれるべき(お弁当の販売価格は家賃などを考慮して決める必要があるため)であるが、今回は除外している。

 

<店舗のプロフィール>

立地;

都内ビジネス街にあり、最寄り駅より徒歩5分。ビジネス街は最寄り駅より歩10分の位置にあり、店舗は最寄り駅とビジネス街のちょうど中間にある。テナントの1階に入っているがメインストリートから一本内側に入った路地にあり、通勤帰宅時間にはビジネス街の従業員の行き来もあるが、まばらである。

 

お弁当の内容;カレーライス。(カレーとライスのみ。)

お弁当の販売価格;700円

1月~3月の1日のお弁当の販売個数の平均;5個

家賃;-

その他;店舗はオープンして一年未満。

 

 

2.課題と仮説

1.のプロフィールを参考に店舗の課題をシンプルに記述し、それぞれの課題についてその原因は何か仮説を立てる。(今回はお弁当販売に関しての取り組みのレポートであるのでプロフィールと課題の関係が分かりづらいが、お弁当販売を含め、飲食店経営全体としての”課題の発見”から行う場合はプロフィールの設定は必要不可欠である。)

<課題>

①1日のお弁当の販売個数が平均5個と少ない。

②お弁当のリピーターが少ない。

 

<仮説>

課題①に対する仮説;

A.周囲と比べお弁当の販売価格が高いからではないか。

B.当店のお弁当の販売価格が利用者の1日の予算を超えているからではないか。

C.お弁当の見た目にお得感が感じられないからではないか。

D.店舗の認知度が低いためお弁当販売を行っていることが知られていないからではないか。

 

課題②に対する仮説;

E.食べ終わった時に満足感が感じられないからではないか。(満腹感)

F.食べ終わった時に満足感が感じられないからではないか。(費用対効果)

 

 

3.仮説の検証ー結果と考察、対応策

前項の2.で考えた仮説を検証し、結果、考察およびそこから導かれる対応策を記述する。

<A.周囲と比べお弁当の販売価格が高いのではないか。>

当店は周囲と比べお弁当の販売価格が30-40%ほど高かった。当店は1つ700円であるが、周囲には500円から利用できるお弁当がある。

値段が高いというだけで、一概にそれが倦厭される理由になるとは限らないが、一般的にはお弁当利用者も1日の昼食で使える予算があり、それは個人のふところ事情だけでなく、周囲のお弁当の相場、つまりその地域での一般的なお弁当の販売価格にも影響される。(しかしその相場も、その地域にある企業が従業員に支払っている給与や、その地域の地価に影響を受けている。)

例えばある地域で平均的なお弁当の販売価格が500円であったとしたら、その地域の従業員は500円+コーヒー代で600円という予算を設定し、月々のやりくりをしようとするだろう。そのため周囲よりも高い値段でお弁当を販売するということは、利用者の予算を圧迫し、リピートの頻度の低下につながる可能性がある。つまり先の例で言うと500円のお弁当なら毎日利用できるわけであるが、それが700円のお弁当となれば給料日後やちょっと特別なときにということになる。(もちろん特別なときに選んでもらえるようなお弁当の内容でなければならない。)

よってテイクアウト派に日常的な利用をしてもらい、一定の販売個数を確保しつつ、目標の売上を達成するためには、この地域の相場に合わせるべくお弁当の販売価格の調整を行う必要があると思われる。

 

 

<B.当店のお弁当の販売価格がテイクアウト派の1日の予算を超えているのではないか。>

調査を行った結果、お弁当利用者1日のランチタイムの予算はコーヒーやお茶などの飲み物代を含め600-700円であることが分かった。当店のお弁当は1つ700円であるので、利用者によっては予算ギリギリ、もしくは予算オーバーとなっており、高頻度のリピートもしづらいことが考えられる。

よってお弁当本体は500円程度とし、高頻度のリピートを得つつ、100円のトッピングなどを販売することにより、追加料金を取りに行く料金体系が良いのではないかと思われる。

 

 

<C.お弁当の見た目にお得感が感じられないのではないか>

周囲ではおかずが2品以上付くお弁当がほとんどだった。具体的には500円でおかず2品

がつき、そこから100円増すごとにおかずが1品ずつ増える。それに含まれないものとして、八宝菜など丼スタイルのお弁当の販売もあり、それらは400円だった。

おかずの有無がお弁当の良し悪しに直結するとは一概に言えないが、今回のケースでは他店より販売価格が最大で300円高いが、当店は高い値段設定であるがおかずが付かないカレーライスであるということが利用者の心理にネガティブな印象を与えている可能性があった。

ただそれでカレーライスのスタイルで周囲の販売価格に合わせて値下げすればよいのかというと、それで販売個数が一時的に伸びたとしてもリピーターの獲得につながるともあまり思えなかった。新規利用者の獲得とリピーターの獲得は、取るべき方策が全く変わってくるからである。(値下げは、お試しという感覚で新規の利用者を呼び込みやすいが、その後リピートしてもらえるかどうかというのは、実際にお弁当を食べた後の満足感による。)

さらに単純な値下げは効果が出るのも早いが、その効果は一時的であることが多い。安い以外のメリットがないため飽きられたら終わりであるし、周囲のお弁当最安値が400円であり、それより安い状況を作り出すこともできないので、どっちつかずで利用者の記憶にもとどまりづらいと考えた。

かつ店舗の側から見ても原価のみが上昇するため、販売個数が伸びたところで薄利多売となり、その分多く売れても結局利益が以前と変わらないという事態にも陥りやすい。少ない人手で運営する個人店では日々のモチベーションの低下にもつながりかねない。そして値下げをして失敗しても、再度の値上げは難しい。慎重に、単純な値下げにならないような方策を考えなければならない。

そこで他店のお弁当との見た目上のギャップを無くすため、お弁当の容器をおかずも一緒に盛り込めるものに変更し、販売価格を500円とし、おかず付きのカレーライス弁当の販売を検討することとした。

 

 

<D.店舗の認知度が低いためお弁当販売を行っていることが知られていないのではないか。>

オープンして1年未満のお店のためは認知度は低いであろうと思われる。またお弁当利用者の顔ぶれが決まっていることや、お弁当の販売個数が3ヶ月間で動いていないことから、利用者の口コミはほとんどなかったものと思われる。

フェイスブックツイッターなどのSNSは性質上、今回のケースでは有効な販促ツールにはなり得ないと考え、確実に口コミのネタになるような仕組みの導入する必要がある。

そこで、2つ以上のお弁当をまとめて買うことによって割引を得られる「まとめ買割引き」を導入することとした。割引額も2個で1つに付き10円引き、最大5個で1つに付き50円の割引が得られる。これにより、テイクアウト派同士のお使いや、どうせみんなで買うならという理由でテイクアウト派がお互いに声を掛け合って当店のお弁当を利用する状況が作れると考え、口コミに近い効果が得られると考えた。また、手作り無添加という点も口コミのネタとなりうるため、その辺りの訴求も必要である。

 

 

<E.食べ終わった時に満足感が感じられないのではないか。(満腹感)>

当店における店内の利用者は全体の75%はライス普通盛り、20%がライス少なめで注文され、全体の5%が大盛りを注文される。大盛りを注文されるのは男性が多いが、少なめに関しては女性が多いとはいい難く、性差があるとはいいづらい。また現段階で普通盛りに関して提供量が少ないという声は出ていない。

お弁当のライスとカレーの提供料は店内の提供量に準じているため、お弁当利用者にとってもお弁当の絶対的な内容量が足りないとは考えづらかった。よってお弁当の内容量については変更の必要はないと考える。

 

 

<F.食べ終わった時に満足感が感じられないのではないか。(費用対効果)>

お弁当の内容量について変更は必要なさそうであるが、他店のお弁当と比べた時に、当店のお弁当はおかずがつかないという部分で利用者がなんとなく物足りなさを感じている可能性があった。そこで、お弁当におかずを付け、その量をご飯とカレーの量から調整し、利用者の満足度を得つつ、食材原価率が目標を上回らないようにバランスの調整をした。

 

 

4.結果

以上A-Fについての対応策を実施したところ、以下の結果が得られた。

 

①1日の平均販売個数の顕著な増加。平均5個→28個

②現在はお弁当利用者の8割をリピーターが占めるようになっている。

 

 

5.今後の課題

今後は現在の販売個数を維持しつつ、飽きられないようなカレーラインナップの工夫が必要である。さらにはそれによって、新規の利用者も呼び込め、お弁当の食材原価率も平均値を引き下げることができれば理想的である。