NeoCulture#Journal

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Neo Culture #Journal

ある文化がある異文化を受容するには、母体となる文化においての既成概念の破壊と伝統の再構築が必要となる。 Neo Cultureは、その過程を人為的かつ局所的に再現しようとする、一種の実験である。

新世紀ラグマンProject. Episode-2

前回までのあらすじ

新疆ウイグル自治区でラグマンを食べて以来、

完全にその虜となってしまったTommo Sogabe。

日本に帰国後、現代日本でそのラグマンをほぼ完全に再現しようとするプロジェクト、新世紀ラグマンProect.を立ち上げ(一人でw)、

2/27の一日復活 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別篇にて、ラグマンのほぼ完全再現を目指すものの、

目の前には様々な問題が立ちはだかっていた。(麺どうしようとかw)

 

しかしそんな中、遥か西方の国より

まるで一縷の希望のごとく、

一本の救世主が姿を現したのであった。(実話)

 

 

 

出会い

時は2017年2月より半年ほど遡り、

2016年夏(確か)。

秋葉原の路地裏でとあるシェフと出会ったのだ。

私は彼のことをDと呼んでいる。

Dの作る料理は繊細で複雑であった。

またDは自分の料理を解説するとき、独特で難解な言葉を使った。

Franceという国の言葉らしい。

ブレゼ、エマンセ、、、等々、覚えきれないし思い出せない。

かろうじて思い出した二つの言葉でさえも、なんとかカタカナで表してみたものの、

これで果たしてあっているのであろうか。

 

 

Italia

Dは現在、Italiaという国の料理を出すレストランにシェフとして在籍している。

私は気が付いたらDの牙城へと飛び込んでいた。

無論、それは私がDの料理について少しでも知識を得たいと思ったからだ。

後々の為になるとか、そんなことはどうでもよく、

ただただ、私の知識欲がそうさせた。 

 

異国の地 

潜り込んだDのその牙城はまるで異国の地だった。

まずFranceと、そのItaliaという国は言葉まで違うのである。

一生懸命覚えたブレゼもエマンセもItaliaでは使わない言葉らしい。

じーざす。

Spainという国の言葉なら自分は少々分かるのだが、

これとも違うのだ。

似ている単語もあるのだが、全部似ているわけでもないし、

違うところも多い。

発音の仕方も違うので、実際の使用の中では似ているのか違うのかすら、

もはやさっぱり分からない。

 

異国の地②

そこには自分がまだ知らない食材が沢山あった。

面白いのはパスタという乾燥させた細長い麺である。

日本のうどんやラーメンとは違い、深いスープに入れて好きな具材を載せ、

丼ですすりながら食べるものではないらしい。

さらにパスタと一口に言っても、日本のうどんの様に様々な形状のものがあり、

それぞれ用途も違うようだった。

 

しかし、そのパスタというもの、例えば太さがほんの0.3mm変わったら呼び方が変わるうえに、

同じ呼び名でもブランドによって多少太さが違うときた。

私にはいちいち使う前に確認するしかなかった。

 

乾麺vs生麺

ある日、Dが一つの麺を紹介してくれた。

トンナレッリ ロマーナ

というらしい。

ロマーナとはItaliaという国のRoma風という意味と教わった。

明らかに他のパスタより太い。

 

しかも、生なのだ。乾麺ではないのだ。

聞けばいわゆる生パスタなるものも普通に存在していると聞くが。

 

Dは私にそのトンナレッリ ロマーナを使って作ったカルボナーラを食べさせてくれた。

カルボナーラのことは知っている、粉チーズと卵黄で作るあの濃厚なやつだ。

 

トンナレッリ ロマーナは他のパスタとは明らかに違い、

歯切れ良くももちっとしていた。

このカルボナーラ自体もうまいが、何よりも麺が美味い。

確かにそう思ったが、

この話はここでいったん終わりである。 

 

新疆ウイグル自治区

そうして私は新疆ウイグル自治区へ渡り、ラグマン三昧の日々。

他にも拉麺などなどいろんな種類の麺料理も存在するのだが、

ウイグル自治区に住まうウイグル人の麺料理と言えば、

ラグマンを置いて他にはないであろう。

ラグマンとはEpisode-1でも触れた、拌麺、和え麺である。

その麺は見た目は稲庭うどんのようであり、しかし食感はそれよりももちもちとしているのである。

冒頭にも触れたとおり、私はすっかりとラグマンの虜であった。

 

帰国後のDとの会話、救世主あらわる

2/27大岩食堂 旅のアジアご飯シルクロード特別編で、私はラグマンを再現したい。

しかし、その解決の糸口は見つからぬまま、少しだけ時間が経ったある日の話。

私はDにラグマンの話をした。

それもかなり詳細に。

現地で撮ってきた写真も見せた。

 

Dは言った。

「ラグマンってそれ、トンナレッリじゃん。」

私は( ゚д゚)ハッ!とした。

「そういえば似ているかも!!!!」

「これはロマーナだから太いけど、これより少し細いのもあるよ。

それなら、ラグマンじゃない?完全に。

かん水とかもむこうじゃあ使わないらしいし、その辺も似てるよね。」

 

改めて、トンナレッリ ロマーナ(太麺)とトンナレッリ(中太麺)を手に取って見てみた。

「いや、どっちの太さくらいのも、現地で食べてきましたね。

確かにこのトンナレッリならトンナレッリ(中太麺)でもロマーナ(太麺)でもどっちにしろいい感じにラグマンを再現できそうです。」

太さだけの話ではない。

 

ラグマンの麺は日本のうどんの様ではあるが、その食感がやはりずいぶん違う。

食感について簡単に例えると、ラグマンの麺はより、白玉団子のようなもちっと感を持つのだ。

そしてトンナレッリにはウイグル自治区で食べてきたラグマンの麺に近い食感がある。歯切れ良くも、もちっとしているのだ。

 

乾麺ではない、

妥協案ではない、

確かな解決策が見つかった気がした。

 

ラグマンの麺として、

うどんではなく乾麺でもなく、Italiaの生麺パスタ トンナレッリを使用するのである。

 

続く