NeoCulture#Journal

Neo Culture #Journal

ある文化がある異文化を受容するには、母体となる文化においての既成概念の破壊と伝統の再構築が必要となる。 Neo Cultureは、その過程を人為的かつ局所的に再現しようとする、一種の実験である。

Facts in Blanksー「で、実際本当にヘルシーなんですか?北インドおうちカレーって。」


f:id:Neo-Culture-journal:20170913140327j:image

「久しぶりね、トム。」

 


f:id:Neo-Culture-journal:20170913140357j:image

「やあ!誰かと思ったらジェシーじゃないか。秋葉原Journey×Journeyでのタイフェス以来だね!

元気してたかい!?」

 

「相変わらずうるさいわね。一言挨拶しただけで十も二十も返してくるそのせわしい性格はいい加減直すべきよ。

ちなみに、私は見ての通り元気よ。」

 

「元気で良かったよ!僕も元気だよ!」

 

「聞いてないわ。興味ないし。」

 

「相変わらずの塩対応だね!しびれるよ!」

 

「もう、あなたに用はないから。行くわね。さよなら、永遠に。」

 

「ん?そんな分厚い本と書類の束をもって何をしているんだい、ジェシー?」

 

 


f:id:Neo-Culture-journal:20170913140327j:image

「ああこれ?実は最近面白いものを見つけたのよ。だからそれについてあれこれ調べてたの。

トムのクセに珍しいわね。あなたついこの間まで勉強努力なんて絶対しない人だったのに、今のあなたはこんな本に興味があるの?」

 


f:id:Neo-Culture-journal:20170913140357j:image

ジェシー、それは違うよ。君にタイ料理を教えてもらってからというもの、僕は変わったんだ。

今は大好きなあの子に振り向いてもらうために、昼夜を問わずタイ料理の勉強も練習もしているよ。」

 

「動機が不純ね。汚いわ。」

 

「ところでその面白いものってなんだよ、ジェシー!Ah, ジェシー。僕は知りたいよ!」

 

「残念ながらこれはタイ料理の本じゃないわ。」

 

「そうなんだ!でもせっかくだから教えて欲しいよ、だめかい?」

 

北インドおうちカレーよ。」

 

「え???」

 

「もう一回だけ言うわ。北インドおうちカレーよ!」

 

ジェシー、僕のために2回も言ってくれる君はなんて優しいんだ。しかし北インドカレー、僕はそれを知っているよ。駅前に美味しいお店があるよね。僕はそれをチェック済みさ。何て言っても夏はカレーの季節、この夏はぁっ、スパイシーだったなあああああああ!!

ナンに、バターチキンカレーっ!!!!!」

 

「私は北インドカレーとは言ってないわ。私が言ったのは、北インドおうちカレーよ。

違い、分かっていただけたかしら???」

 

北インド、、、お、おうち、、、 カレー....???

 一体、一体それは!!!おうちカレーといったら僕は熟カ○ーだよ!!!!」

 

「それがあなたのおうちカレーよね。でもインド人にもあるのよ。おうちで食べるカレーが。」

 

 「でもインド人って毎日カレーなんだろ???そしてその口ぶりから察すると、まさかバターチキンは北インドカレーだけども、北インドおうちカレーではないということかい?」

 

「毎日カレー、という表現はあながち間違ってないわ。けど本質を捉えた言い方ではないわね。」

 

「なるほど、でも確かに誰かがインドにはカレーもカレーライスも存在しない、って言ってたな。今思い出したよ。。。」

「え???。。。。でも一体どういうことだい!??インド人は毎日カレーを食べるのに、インドにはカレーもカレーライスも存在しないなんて!!!!!!!!!

僕が今までカレーと呼んでいたものたちは、一体なんだったんだ!

バターチキンカレーは、カレーなんだろ!???なのに!!!!カレーじゃないんだろ!!???」

 

「トム!!!落ち着いて!!!!

熟カ○ーはカレーよ!!!

でもバターチキンカレーは正式名称ではムルグ・マッカーニーなの!!!カレーと呼ばれているけど、っカレーじゃないのよっ!!!」

 

「むるぐ・まっかーにー...

分からんわ。」

 

「そうね。」

 

「いやいや、ちゃんと説明してくれよジェシー!

このままじゃあきっと気になって少なくとも今晩くらい眠れなくなりそうだよ。」

 

「分かったわ、仕方ないわね。ならあなたのために簡単に説明してあげるわ。

 

私が今持っているこの本は北インドおうちカレーについて書かれたものなの。

カレーっていってるけど、カレーって言う言葉は著者が便宜上使っているの。

インドの言葉にはもともとカレーに当たる言葉はない、と言われているわ。もちろん、カレーの語源になったのではないか、といわれている単語はあるし、インド人も今ではカレーという言葉は普通に使っている。

だからどれもカレー、なのだけど日本の煮物みたいに、煮物と一口で言っても佃煮、煮しめ、煮付け、煮っころがし、みたいに細かく名称が分かれる、それに近いわ。

ただ、カレーという言葉が余りにも便利なものでインド人も最近はカレーとしか呼ばれない料理もあると思う。特に外国人相手にはカレーとさえ言っておけば通じちゃうし、便利よね。」

 

「なるほど、カレーについては分かったよ。

しかしおうちカレーっていうのは一体なんなんだい?そんな言葉ははじめて聞いたよ。

どこのインド料理屋さんにも行ってもそんなメニューは見なかったよ。」

 

「まず有名なインド料理と言えばバターチキン、あれは北インドのレストラン料理なの。もともと家庭ではあまり出てこないわ。お金持ちのおうちでは違うと思うけど、一昔前なら一般家庭のおうちでは余り出てこなかったでしょうね。最近は変わってきてると思うけど。

でにつまり、インド人が常日頃食べている料理はもともともっと違うものなの。」

 

「なるほど、じゃあカレーって言う言葉は便宜上みんなが使うとしても、本質的にはインド人の食事はレストランの食事と家庭での食事は全く違うってことなのか!!!」

 

「トム、全くもってその通りよ。

でも全部の料理が違う、って言う訳じゃないの。

重なっている部分もあるわ。

でも例えば同じダル、豆カレーね、でもレストランのものと家庭のものでは違ってくるわ。厳密に何が違う、というのもなかなか難しいのだけど、まあ家庭には家庭の味、レストランにはレストランの味があるって思ってもらえればいいわ。

で、そういったことがレシピと一緒にこの本にはまとめられているのよ。

でもレストランと家庭では料理が全く違う、といってもインドはとてつもなく広いし、

地域、宗教、カースト、家族、個人、そしてその中で季節による差がある。

何もかもが厳密にこうだ、とはなかなか言い切れない世界よ。」

 

「なるほど、握り寿司は、寿司屋だけど。手巻き寿司はおうちでやるもんな。そんな感じか。」

 

「まあ、そうね。それでいいわ。あなたにとってはそれくらいの理解がせいぜいでしょうね。」

 

「でもジェシーが面白いって言うのは、レストランと家庭の料理の違いだけじゃないんだろ!??

その分厚い本まで全部レシピ本ってわけじゃないんだろ?」

 

「ちょっと、顔が近いわ。」

 

「ごめんよ、最近の僕の悪い癖なんだ。興味が湧くと前のめりになるんだ。」

 

「まあ、いいわ、許してあげる。

でもあなた、さすがに私のこと良く分かっているじゃない。

そうよ、私が面白いと思ったのはそこじゃないの\(゜ロ\)(/ロ゜)/!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「え?ジェシー、急にどうしたんだい?キャラ違ってないかい???」

 

「あら、失礼。最近いろいろあったのよ。

そう、この本にはね、あくまで「美味しい」とか「ヘルシー」と言った言葉しか書いてないのよ。」

 

「なるほど。

つまりもしこれで、まあ美味しいだろうけど、実はそんなにヘルシーじゃなかったらどうしてくれるんだと、そういうことかい???」

 

「そうよ、だからそれを調べてもらったのよ。

管理栄養士さんに。」

 
f:id:Neo-Culture-journal:20171012131125j:image

 

続く