Neo Culture #Journal

Layered Little Press #Journal(旧Neo Culture)

小さすぎる出版社Layered Little Press(旧Neo Culture)

新世紀ラグマンProject. Episode-FINAL

前回までのあらすじ

現代日本にラグマンをほぼ完全に再現しようとする試み、

新世紀ラグマンProjectを成功させるべく奮闘中のTommo Sogabe。

ひとまず次の目標は2/27一日復活 大岩食堂旅のアジアご飯  シルクロード特別篇!

しかしラグマンの麺をどう再現するのか悩み続け、

一時は妥協して乾麺を使用するか、いっそ止めるか、みたいな危機的な状況であったが、Dという一人の料理人がその状況の打開策を見出した。

Dは、彼がレストランで使用しているイタリアの生麺パスタ トンナレッリ・ロマーナは、ラグマンの麺に近しいのではないかというのである。

 

そこから、話は大きな展開を迎える。

 

その麺は浅草にあり

Dによると、彼はトンナレッリ・ロマーナ(太麺)は浅草に所在する開化楼という製麺所から仕入れているという。トンナレッリ(中太麺)に関しては普段は使っていないものの、試作の為に仕入れたらしい。

浅草開化楼といえばラーメン業界でかなり有名な製麺所である。

 

最後の難関

今回の2/27の旅のアジアご飯の為に、私はこの麺を開化楼さまに売っていただく。

それが今回のProjectの最重要ミッションとなった。

それには直接製麺所へ行って、直談判するしかなかった。

しかし、なんせ相手は天下の開化楼さま。

果たしてこんな個人が相手にしてもらえるのか。不安である。

しかしありがたいことに、そのとっかかりとなるやり取りや、アポイントメントの作成はDが行ってくれた。

今回は、カラスさんという方と話をして、認めていただく必要があるとのことだった。

Dのスマートなアシストによって、日程調整もスムーズに進み、見学の日はすぐに決まった。

こんなこわっぱが工場見学と直談判のチャンスをいただけたのである。

 

武器は情熱

相手は製麺のプロ。

であれば麺に対する情熱は半端じゃないはずである。

ならばこちらもラグマンに対する情熱と、

「ラグマンの麺にはトンナレッリがいいんです!!!!」という情熱をぶつければ、

もしかしたらイケるんじゃないか、

などとどうしょうもないことを考えては不安を紛らわしていた。

しかし、情熱を武器に戦う以外に選択肢はなかった。

なんせ、麺に関して私は全くの素人である。

プロを相手に理屈をこねくり回しても、所詮素人は素人。

相手には「で?」と思わせてしまうだけであろう。 

 

I DO What I Do

ならば後はやることをやるだけである。

何はともあれ試作である。

トンナレッリを使ってラグマンをほぼ完全に再現することができ、

それがきちっと美味しければ、きっと開化楼さまとの交渉の材料となろう。

 

試作にはDが協力をしてくれた。

彼が店で使っているソースの中に、自家製皮なしソーセージを使って作る、

フラタッキオーネというパスタソースがある。

ソーセージと言っても皮なしでやるので、簡単に言うと味の入ったひき肉を加熱して作るような感じ。

このフラタッキオーネソースに、ウイグル自治区のラグマンにはほぼ必須な食材、生トマトを加え、ラグマンの具に仕立てる。

そして、茹でたトンナレッリ(中太麺)にそのソースをのせる。

これがそのラグマン風のトンナレッリである↓

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そしてこれが今回モデルとしたラグマン↓

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なんならモデルより再現の方が美味しそうやし。

 

しかし麺の伝播に関しては色んな説がありまして、

ラグマンが西に伝わりパスタになったとか、

その逆でパスタがラグマンのルーツだとか、

漢民族ウイグル人にラグマンのもととなる料理を伝えたとか、

まあ、しかし実際そんなことは素人にはよく分からないというのが正直なところだし(何を信じるかは別として)、

ただ今回、新疆ウイグル自治区に行き、イタリアやそっちの方との古の時代の文化の交流というのも感じてきた。

例えばこれ↓

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ラムひき肉の包み焼でタンドール様の窯で炭火で焼くのだが、完全に見た目はイタリアのカルツォーネである。

まあ同時多発的に同様の形状の料理ができたのかもしれませんけど、

そんなことより、古の時代の中国とイタリアの文化の交流、それを想像する方がはるかにロマンチックで夢があって楽しい。

少なくとも自分はそうである。

 

そして今回、実はラグマンは生のうどんを使えば別にそれでよかったのかもしれない(実際、稲庭うどんとかかなり近いと思う。

が、しかし!!!!!

トンナレッリが遥か遠くイタリアから日本にやって来て浅草で作られていて、

そしてそれはもしかしたらラグマンのご先祖様なのか、ラグマンのご子息なのか知らないが、

そんなトンナレッリでラグマンを現代日本で再現する、

この時空を超えた巡り合いによってもたらされる一種のドラマのような再現ができれば、

私はそちらの方がはるかに萌えるのである。

 

そして、私にとってであるが、

少々のトライアルの結果、うどんよりもトンナレッリの方が、

より近しいラグマンを再現できるという結論に至った。(感覚的ですけど)

そしてそうやって作られたラグマンは、食べ手をもわくわくさせてくれるだろう。(と思っている。)

蛇足ではあるが、他にも新疆ウイグル自治区で食べた平細麺の麺料理を再現したが、日本のラーメンの麺よりも生のリングイネを使用した方が、

より現地っぽく仕上がるという、これもまた感覚的ではあるが、一つの結論を得ている。

 

決戦前夜

やれることはやった。

こんな日は早く寝るに限る。

 

決戦

早朝に浅草開化楼へ。

決戦にはDも同行してくれた。

 

製麺所の朝は早い。

それはまあそうだろう。毎日のランチタイムに間に合わせるべく、

麺を作っているのであろうし。

それで私たちの胃袋が支えられていると思うと、頭が上がらない。

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朝、7時半、

作業はどピークでこの時間が一番大変とのことだった。

しかしそんな中、スタッフの皆さんは、全くそんなことを感じさせず、

突然の来訪にも関わらず、ものすごく丁寧に対応してくださった。

 

 

そして、ついに、カラスさんとの面会である。

忙しい中、どうもありがとうございます。

 

名刺交換をする。

 

不死鳥、、、カラス、、、

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「カラスさん、プロレスラー、やってらしたんですね。。。!」

 

交渉

特に込み入った話にはならなかった。

と、思う。。。

正直、緊張していたのか

何をどれだけ話したのかあまり覚えていない。

ただ、断片的な記憶を辿ると前々項のI DO What I DOに書き記したようなことを

話した、気がする。

 

しかしとにかく結果として、2/27 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別編でのトンナレッリの使用許可はいただけた。

 

これできっとほぼ現地完全再現、最高のラグマンがお出しできます!!

 

2/27のラグマン

当日は3種類のラグマンをご用意する予定です。

1つはトンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用のラム肉のラグマン-过油肉拌麺

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过油は油通しや素揚げという意味で、肉や野菜を油通しして、ラム出汁、トマト、醤油のスープに合わせ、具とする。

新疆ウイグル自治区ではかなりメジャーなラグマン。

 

2つ目はトンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用のラム肉とニラのラグマン

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店によって具材の取り揃えは違うけど、イメージ的には1つ目のラグマンに大量のニラを加える感じです。ニラとトマト、日本ではあまり馴染みのない組み合わせですが、愛称は◎。ニラ好きにはたまらない中毒性抜群の一皿です。

 

3つ目はトンナレッリ(中太麺)使用の・牛肉のラグマン-牛肉拌麺。

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さっきの試作のモデルになったラグマン。

ボロネーゼのソースを連想させる力強い牛挽き肉とトマトのソースで食べるラグマン。こちらはちょっとマニアックなラグマンですね。

 

 一日復活 大岩食堂 旅のアジアご飯 シルクロード特別編

2/27(月)

ランチ 11:30-14:00

ディナー18:00-23:00

 

<お品書き>
・黄燜鶏米飯(イスラム風鶏の中国醤油煮)
・ラム肉のラグマン-过油肉拌麺
*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用

*ラム肉とニラのラグマン

*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ・ロマーナ(太麺)使用

・牛肉のラグマン-牛肉拌麺
*低加水パスタフレスカ(生麺) トンナレッリ(中太麺)使用

 

・ラム肉のクミン焼き
・大根ともやしの醤油焼き

トルファン特産干し葡萄&ナッツ


トルファン産ワイン赤・白
・ハーミー特産メロン、ハーミー瓜牛乳

 

お待ちしております!!

よろしくお願いいたします!

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ご協力くださいました皆様!!

本当にありがとうございます!